育児休暇取得の予定を表明しました

2010年より厚労省でスタートさせている「イクメンプロジェクト」と同時に、北区でも「イクメン講座」など、男性の育児休暇取得を促す事業を推進しております。

しかしながら、現実として男性の育児休暇取得はなかなか進んでおらず、区職員に限っては、例年2〜3名で、2012年度では男性の育休取得件数はゼロ件でした。
そこで、今回の表明は、子育てに優しい社会の実現のため、男性の育休取得は見送られるべきという価値観を変えることを目的としています。
また同時に、妻をサポートしながら、父親として育児に関わる喜びをかみしめたいという素朴な気持ちより、今回の決断に至っております。

実は、2010年に第一子が生まれた際にも育休をとっており、全国紙でもニュースになりました。その時には、当然ご批判もありましたが、それ以上に励ましの声が大変多くありました。
「男性の育児参加に向けてもっとアピールしてほしい」 「育休取得へ勇気づけられた」などの声がありました。
そこで、先日の議長就任時のあいさつでも、議場にて「ワークライフバランスに留意しながら議長としての職責をしっかりと果たして」いきたいと表明しております。
議員や首長などには、そもそも休暇の規定が存在していないため、育児休暇をしたいと思えば勝手に休めば良いだけなのですが、男性の育児休暇取得への世論喚起を目的として、あえて育児を理由とする休暇取得を表明しております。

今回も、前回に準じて自主基準を設けております。
→ 採決、公的発言予定のない公務・議会日程について、議会運営に支障がない範囲で適宜判断をしながら休暇をとることとします

全国紙の掲載記事にもありますが、月に2〜3日程度、公務日程を工夫しながら取得できればと思っております。
なお、男性地方自治体議長としては全国初のイクメンの事例になると思います。

以下、全国紙、一般紙での掲載記事を紹介いたします。

東京新聞 2013/5/29

北区議長が育休へ  前回宣言したものの結局1日


東京都北区議会の戸枝大幸議長(35)が28日、7月に誕生予定の第2子の子育てのため「育休」を取得する考えを明らかにした。(奥野斐)

区議長に育休制度はなく、公務を休む際に事務局に出す欠席届か不在届の理由欄に「育児」と書く。前もって決めた一定期間ではなく採決や発言予定のない日に休暇を取る。予定日は7月5日。予定通り生まれれば六月定例会とは重ならない。
前回は2010年11月、長女誕生にあわせ定例会中の育休を宣言したが、誕生が予定日より五日遅れ、休んだのは結局、議会終盤の一日だけだった。今回は、第二子誕生から半年間に月に二〜三日取りたいという。議長は会期中以外も来客や会合、決裁など常勤的な業務がある。
第一子のときは区民から「休んでいるだけでは」「選ばれたからには議員の仕事をしろ」との批判も出た。戸枝氏は「男性が育休を取りづらい雰囲気を変えたい。議論のきっかけになればと」と語る。
「ファザーリング・ジャパンの安藤哲也副代表(50)は「一ヶ月育休を取ると、家事育児の問題を一通り経験でき家族の絆も深まる。イクメンを自負するなら連続二週間は取ってほしい。区職員に良い影響を与えて」と話す。

読売新聞 2013/5/29

戸枝北区議会議長  「育休」取得を宣言


北区議会議長の戸枝大幸区議(35)は28日、7月5日に予定している第2子の誕生に合わせ、育児のために公務を休むと表明し、事実上、「育児休暇」の取得を宣言した。
第2子の誕生前後から約半年問、行事の出席や来庁者への対応などの公務を適宣休む。
北区議会では、常任委員会にも正副議長が出席しているが、委員会も支障がない時は休む。本会議には出席する。
区議会事務局によると、議員に関する規定に「休暇」の概念はなく、報酬の減額制度もない。報酬の返納は寄付行為となるため公職選挙法上できないといい、戸枝区議はこうした点が今後の課題と指摘している。

<5/30追記>

朝日新聞 2013/5/30

北区議会議長が「育休」宣言


北区議会の戸枝大幸議長(35)=自民= が「育児休暇」を取ると宣言した。発言する予定がなく慣例的に議長が出席している委員会審議などを、月に2、3日休む。7月5日に誕生予定の次女の育児にあてる。
戸枝氏は、長女が生まれた2010年末にも、1日だけ育体を取得。「批判より応援の方が多かった。男性の育休取得をもっとアピ―ルしたい」と2度目の育休宣言をした。「おむつ替えやお風呂など家事全般をサポートしたい」という。
議長は、平日は朝9時前から区議会へ出勤、土日も地元のイベントに参加し、「ほぼ休みなし」だ。議長は議員よりも月額の報酬が30万円ほど高く、休んでも減額はない。「議長の仕事に支障の出るところは絶対休まない。休みの分は仕事の質を高めて対応したい」と話している。

<5/31追記>

都政新報 2013/5/31

男性議長、全国初の育休取得


北区議長の戸枝大幸氏が第二子の誕生を前に、「育児休暇を取得する」と宣言した。
首長では成沢広修文京区長が育休を取得し話題になったが、男性議長として全国初という。
議長の主な職務は公的会合への出席や議事日程の進行で、戸枝氏は採決や発言予定のない公務日程に適宜判断しながら休暇を取り、育児に関わりたい考えだ。
なお、報酬の返納は寄付行為に該当し、公選法上できないため、「休暇と報酬の関係についての議論の整理が必要」と戸枝氏。
率先行動で区職員の育休取得は進むか。